犬におやつをあげる

普段何気なく与えているおやつ。どんな時に、どんなものを、どのぐらい、どんな風にあげたらいいの?と一度は考えたことがある方も多いと思います。そこで、今回はペットにとってのおやつの意味や適切な種類と量、そして与えるタイミングについて詳しくみていきたいと思います。

ペットにとって「おやつ」は大事?

おやつを与えることはペットと飼い主さんのコミュニケーションにおいて有効な手段と言えます。しかし、そのおやつを与えすぎることで食生活が乱れ栄養が偏ったり、肥満になったり・・。結局は飼い主さんが病気の原因を作ることにもなる可能性も秘めているのです。栄養の整ったペットフードだけを与え、おやつはあげないに越したことはありません。しかし、しつけのご褒美や飼い主さんとのコミュニケーションの手段としておやつが必要な場合もあるのも事実です。目的に応じて適切な量をあげるのが望ましいです。

犬のおやつ量の基本

犬におやつを与える時に理想的なのは、1日に決められたカロリーを超えないようにすることです。例えば、1日に与えるカロリー量を500kcalに設定していたとして、その分ドッグフードを用意しているのであれば、おやつを食べた分のドッグフードは減らしましょう。また、1日に必要なカロリー量はそれぞれの犬によって異なります。その算出は知識がないと難しいため、事前に獣医師に確認されることをお薦めします。

おやつを100kcal食べたのなら、ドッグフードは400kcalにするなどして、カロリー調整をしてみましょう。もし、ドッグフードをおやつにしているのであれば1日の分量からおやつ用のドッグフードを取り分けて与えるのが便利です。また、おやつはちょっとしたご褒美やしつけのために与えるものであり、栄養補給はあくまでも食事(ドッグフード)から与えるようにしましょう。

栄養のバランスが崩れないように、おやつが450kcalでドッグフードが50kcal、といったような偏った与え方をするのはやめましょう。目安としては、1日に与えるおやつの量は全体の10~20%に抑えるようにしましょう。

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犬のおやつの回数

では、犬に与えるおやつの適切な回数はどのぐらいなのでしょう。犬はおやつをもらったら基本的には量よりも、もらったことに喜びを感じる動物なので、犬にとってはもらった回数が大事なのです。1回で大量のおやつを与えるよりは、数回に分けて少しずつ与えるとよいでしょう。例えば、しつけのごほうびとしてあげるなら、目安は人間の小指の爪の、半分ぐらいで十分です。

また、犬はほとんど噛まずに飲み込む食性があるので、大量でも少量でも食べるまでの時間はさほど変わりません。この事実を踏まえると、おやつを与える量は少量がいいに越したことはありません。

おやつを細かくちぎって数回に分けて与えることで、ワンちゃんはその回数だけ喜びを感じることが出来ますし、カロリーも抑えられるので一石二鳥です。

おやつはどんなものがいいの?

基本的に「おやつ」は「食事」ではないので、色々な種類をあげる必要はありません。それよりも、飼っているペットにとって必要なおやつを知っておくことが大切です。

おやつ用、として犬向けスナックが数多く売られています。お薦めは、与える量を調整しやすい小粒のものです。鶏のささみや砂肝、レバー、魚など、主原料も多種多様です。これならしつけのときにも回数を分けて与えやすいです。

例えば、便秘がちなペットにはプレーンヨーグルトをあげてもよいのですが、あげる量はせいぜいティースプーン半分ぐらいで、必ず無糖タイプのものを選びます。牛乳を犬に与えると牛乳に含まれる「乳糖」を分解する力が弱いため、お腹を壊してしまう場合があることが知られていますが、ヨーグルトの場合は乳酸菌が乳糖の一部を分解しているため、牛乳そのものよりも影響は少ないです。ただ、合う、合わないは犬によって違いますので、油断は禁物です。様子を見ながら与えるようにしましょう。このように、おやつとして与える食物が、犬にとってどのような影響を与えるかを、考えた上でおやつを選ぶことがベストです。

生野菜はカロリーも低いのでヘルシーだと思われがちですが、犬の腸は短いため栄養を吸収する前に便と一緒に排泄してしまったり腸内で発行したガスがたまったりすることがあります。健康面を考えると生野菜よりも茹でた方がいいのですが、茹でると見た目の量が減ってしまうので、与え過ぎないように注意することが必要です。

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一方、乾燥したおやつを食べると胃に入ってから胃液を吸収して膨らむので、食べてしばらくしてから満腹になります。すると、食事の時間になってもお腹がすかないため食生活が乱れる原因にもなります。特に、乾燥したおやつの場合は「もし水分を含んだらどのぐらいの大きさになるのか?」をいつも想像して与えましょう。

☞関連記事「おやつの種類と注意点【獣医師が解説】」もご覧ください。

 

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