尿は健康のバロメーターのひとつです。愛犬の尿を日頃からチェックすることは、健康を維持したり病気の兆候を発見する上でとても大切です。
ここでは、犬の尿の特徴と、チェックポイントについて解説します。
尿の回数
犬の排尿回数は、犬によって個体差がありますが、一般的には以下のとおりです。
子犬:1日あたり7〜10回
成犬:1日あたり3〜5回
高齢犬:1日あたり5〜6回
成長途中の子犬はまだ膀胱も小さく、たくさんの尿を体内に溜めておくことができないため、少しずつ何回かに分けて排尿をします。 成犬になると、まとまった量の尿を溜められるようになるため尿の回数は減り、高齢犬になると、膀胱の機能や筋力が低下することにより成犬時より少し回数が増える傾向にあります。
ただし、これらはあくまで目安であり、
「普段の排尿の回数から変化があるかどうか」が重要
です。普段の排尿回数から大きく増えたり減ったりした場合には、何らかの病気のサインの可能性があるので、注意が必要です。
尿の量
犬の尿の量を正確に測るのは難しいですが、
排尿後のペットシーツの重さを量り、そこから未使用のペットシーツの重さを引くことである程度の尿量を把握する
ことができます。
健康な成犬の1日の尿量は、体重1kgあたり28〜47ccとされています。
(体重3kg:84〜141cc、体重5kg:140〜235cc程度)
体重1kgあたり1日50cc以上→多尿
体重1kgあたり1日7cc以下→乏尿
体重1kgあたり1日2cc以下→無尿
これらの原因には、以下のような病気の可能性があります。
多尿:水分の過剰摂取、糖尿病、クッシング症候群、子宮蓄膿症など
乏尿:脱水、腎臓病、尿路結石など
無尿:末期の腎臓病、尿路結石、尿路腫瘍、重篤な腎炎など
*飲水量もチェックしましょう
尿の量は飲水量とも関係しているため、尿量の測定が難しい場合には飲水量を測定することで指標となります。
犬の1日あたりの飲水量は、体重1kgあたり40〜60cc程度です。
(体重3kg:120〜180cc、体重5kg:200〜300cc程度)
1日あたり、体重1kgあたり100cc以上水を飲んでいる場合は、「多飲」と判断します。
計量カップやペットボトルなどにあらかじめ計った水を入れて、犬に水を与える際はそこから注ぎ足すようにすることで、1日にだいたいどの程度の水を飲んでいるかを把握することができます。
尿の色
正常な犬の尿は薄い黄色(淡黄色)ですが、尿量や病気などさまざまな要因で変化します。
色が濃いor茶色っぽい(茶褐色)尿が続く
赤い尿が出る(血尿)
尿にキラキラしたものが混ざる
白く濁っている
色がほとんどない(水のように薄い)
などの場合には、病気のサインの可能性があるので、動物病院を受診しましょう。
尿のにおい
尿のにおいがいつもと違う場合には、何らかの病気のサインの可能性があります。
(例)
ツンとする刺激臭、強臭:尿路感染症など
甘いにおい:糖尿病など
排尿の様子
排尿をするときの犬の様子がいつもと違う場合にも、注意が必要です。
特に
排尿のポーズをしているのに尿がほとんど出ない
排尿時に痛がって鳴く
トイレ以外の場所で排尿をしてしまう
などの場合には、病気のサインの可能性があります。
犬の尿の状態は、飲水量や気候やなどによっても変化します。 しかし、尿の回数や色、量などがいつもと明らかに違う場合には注意が必要です。
とくに、水を飲んでいても尿が出ない、大量に水を飲み大量の尿を出す(多飲多尿)、尿の色がいつもと明らかに違う、頻尿がある、排尿時に痛そうにしている、などの症状がみられる場合には何らかの病気の可能性があるので、早めに動物病院を受診しましょう。
受診する際は、なるべく新鮮な尿を持参することで、診断に役立ちます。 家庭での採尿の仕方はこちら(犬の尿検査)を参考にしてみてください。
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