寒い冬が過ぎ、あたたかな陽気となる春は、ワンちゃんたちにとっても過ごしやすい季節です。
しかし、昼と夜の寒暖差が激いため体調に変化がみられたり、お散歩やお出かけなどで外に出る機会も増えるとかかりやすくなる病気もあります。
ここでは、アイペット損保の保険金請求データを参考に、春に気をつけたい犬の病気について解説します。
フィラリア症
春になると、動物病院などからフィラリア症の検査や予防のお知らせが届く飼い主さんも多いと思います。フィラリア症は、春から予防が必要なわんちゃんの代表的な感染症なので、しっかりと予防してあげましょう。
フィラリア症は、フィラリアに感染した動物の血液を吸った蚊が、次の動物を吸血することで感染する病気です。そのため、蚊の飛んでいる季節は注意が必要です。
フィラリアに感染すると、体内でフィラリアの子虫が成長し、心臓や肺の血管に寄生して血液の循環を悪くしてしまいます。はじめは、元気がない、食欲がない、痩せる、咳が出る、呼吸が苦しそうなどの症状がみられ、進行するとお腹が膨らんできたり、赤い尿が出るようになります。
放置してしまうと、心臓・肝臓・腎臓等に障害をおこし、死に至る確率も高い恐ろしい感染症です。また、蚊を媒介して人へも感染する可能性のある「人獣共通感染症」でもあります。
フィラリア症は、予防薬によって予防することができます。フィラリアの予防薬には、錠剤やおやつタイプのチュアブル、スポット剤など様々な種類があり、動物病院で「フィラリアが寄生していないかを確認するための検査」を受けてから処方されます。
なぜ検査が必要かというと、フィラリアの成虫から産まれるミクロフィラリアが、既に犬の体内にいることを知らずに予防薬を飲ませた場合、アレルギー反応やショック症状を起こして最悪の場合、死に至る可能性があるからです。
そのため、
毎年必ず動物病院で検査を受けてから予防薬を処方してもらい、指示された期間中は忘れずに予防薬を投薬する
ようにしましょう。
参考・引用:ノミダニフィラリア.com https://n-d-f.com/filaria/index.html
皮膚炎・アトピー性皮膚炎
暖かい春は、寒さから体を守っていた冬毛のコートを脱ぐ季節になります。毛が抜ける量は犬種によって異なりますが、春〜初夏にかけて、多くのワンちゃんで抜け毛が増える換毛期を迎えます。
抜けるべき毛が残って毛玉になってしまったり、抜け毛がたくさん残った状態でシャンプーをすると毛が乾き切らず、細菌などが繁殖して皮膚炎などの皮膚トラブルを起こしやすくなるので気をつけましょう。これらを防ぐためには、
こまめにブラッシングをしたり、定期的なトリミングやシャンプー
で皮膚のコンディションを整えてあげましょう。
また、春はアトピー性皮膚炎を悪化させやすい季節です。気温が上がるとスギ花粉が飛び始め、花粉症の人にとっては辛い季節であるのと同様に、犬でもアトピー性皮膚炎の原因になるとされています。暖かくなる春頃から症状が悪化し始めるアトピーのワンちゃんは少なくありません。
痒み・脱毛・皮膚の赤み・発疹など、犬の皮膚に異常を感じたら、早めに動物病院を受診しましょう。
アトピー性皮膚炎の治療には、飲み薬や外用薬による治療とあわせて、シャンプーやブラッシングなどのスキンケアで皮膚についたアレルゲンをなるべく除去してあげることも重要です。
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