みずみずしく上品な甘さが人気の梨は、犬が食べても健康上問題のない果物です。ただし、梨に対してアレルギー反応を示す犬もいるので、犬に与えるときの注意点なども含めて紹介します。
梨を与えるときの注意点は?
梨は90%が水分でできており、犬にとって悪い影響を及ぼす成分は含まれていません。ですから、夏季などあまり水を飲まない犬に水分補給として少量与えるのはいいでしょう。ただし、好んで食べるからといって頻繁に食べさせていると、ドッグフードを食べなくなってしまうこともあるので注意してください。
また、梨にはリンゴ酸やクエン酸、アスパラギン酸が含まれており、それらは疲労回復の効果があると言われています。激しい運動をした後や高齢犬には、少量与えてもいいでしょう。なお、梨に含まれるカリウムは利尿作用があるので注意が必要です。腎臓に疾患のある犬に与えすぎると、尿が出すぎて脱水症状を引き起こしてしまうこともあります。
皮や種は食べられるの?
皮や種、芯を食べると消化不良を起こす可能性があるので取り除き、実の部分だけ小さくカットして与えましょう。特に日頃からあまり噛まずに食べる犬に大きいまま与えてしまうと、喉に詰まらせることがあるので、必ず小さく切るかすりおろしてあげることをおすすめします。
桃などに比べて種は小さいので、万が一飲み込んでも緊急事態ということにはなりませんが、下痢や嘔吐を引き起こす可能性も。基本的には食べさせないように気をつけましょう。
ラ・フランスなどの洋梨も与えて大丈夫?
ラ・フランスなどの洋梨も85%が水分でできており、基本的に犬が食べても問題ありません。ただし和梨と同様にカリウムが含まれているので、腎臓に疾患のある犬には与えないほうがいいでしょう。
また、未成熟の洋梨には体内でシアン化水素という有毒な物質に変わる「アミグダリン」が含まれています。スーパーなどで売られている洋梨はほぼ問題ないと思われますが、与える前に熟しているかどうかチェックし、皮や種は取り除き、実の部分だけを小さくカットして与えましょう。
みずみずしい梨は水分補給や疲労回復に効果的なので犬に与えても大丈夫ですが、与え過ぎに注意が必要です。皮や種は取り除き、実の部分だけ少量カットしてあげるようにしましょう。
交差反応アレルゲンとは?
ある種の動物タンパク質に対してアレルギー反応を示す場合、種の近い動植物のタンパク質にもアレルギー反応を示すことを言います。たとえば、ブタクサのアトピーを持つ犬に対して交差性のあるアレルギーは表で示しているようにリンゴ、バナナ、メロン、トマトです。ブタクサのアトピーを持つ犬がリンゴを食べたからといって必ずしもアレルギー症状を起こすわけではないのですが、アレルゲンレベルをあげてしまうことになります。
サンダース ベテリナリークリニクスシリーズ Vol.2 No.1「犬と猫の最新・皮膚科学」 株式会社インターズー刊より引用
※この記事は犬に梨を食べさせることを推奨しているものではありません。人間の体に良いからといって犬にも良いとは限りません。逆に悪影響を与えたり、必要な栄養の吸収を阻害したりすることもあります。犬の食事は、栄養バランスが良く摂れる総合栄養食としてのドッグフードがおすすめです。
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