アイペット損害保険株式会社が2021年3月に発表した、ペット飼育者985名を対象に調査した「ペットに関する支出調査2020年」(※)によると、昨年と比較し合計金額で大きな変化はないものの、飼い主さんが支出額で一番大きいと感じている「フード・おやつ」の割合がさらに大幅に増加し、コロナ禍での生活で、ペットと一緒に過ごす時間が長くなり、「フード・おやつ」「おもちゃ」「診療費」の支出が増えている様子が伺えました。
あなたの愛犬の合計支出(2020年の1年間)はおいくらでしたか?
2020年のペット関連年間支出、犬飼育者「5万円以上~10万円未満」が最多
犬の飼育者さんは「5万円以上~10万円未満」が34.0%、猫の飼育者さんは「5万円未満」が42.0%で最多で、新型コロナウイルス感染拡大前の昨年と比べて、年間合計支出額に大きな変化はみられませんでした。
昨年と比べ、約7割の飼育者が「変わらない」と回答
続いて、「2020年のペット関連支出は前年比どうなったか」を尋ねたところ、約7割が「変わらない」と回答した一方、「増えた」と回答した犬の飼育者さんは26.5%、猫の飼育者は26.1%でした。犬の飼育者は2.5ポイント増え、やや増加しています。
最も支出が増えたのは何ですか?
犬の飼育者さんは「病気やケガの診療費」がトップ
ペット関連支出合計が昨年と比べ「増えた」と回答した方に、「何にかける費用が一番増えたか」を尋ねたところ、犬の飼育者さんは「病気やケガの診療費」が52.8%と最も多く、猫の飼育者さんは「病気やケガの診療費」「フード・おやつ」が同率でトップでした。昨年と比較すると、「フード・おやつ」と回答した犬飼育者は9.2ポイント、猫飼育者は4ポイントも増えていました。
増えたと回答した犬飼育者の約75%が1万円以上増加
増えたと答えた犬の飼い主さんの増加額は1万円以上の方が約75%を占め、5万円以上増えた方がそのうちの4割にのぼっており、増えた方の増加額は大きな金額を示しました。
一番大きい支出と感じる費用は?
「フード・おやつ」への心理的負担感の割合が大幅に増加
「ペット関連支出の中で一番支出額が大きいと感じるものは何か」と尋ねたところ、犬の飼育者さんの34.0%が「病気やケガの診療費」、次いで「ワクチン・健康診断などの予防費用」が24.6%となりました。昨年の結果との比較では「フード・おやつ」と回答した方が犬飼育者で7.4ポイント、猫飼育者で10.5ポイントと、大幅に増加しました。その一方、コロナ禍における「病気やケガの診療費」は、犬飼育者で5.9ポイント、猫飼育者で14.7ポイント昨年と比べ減少しています。「病気やケガの診療費」よりも「フード、おやつ」支出への負担感の方を抱く傾向が増えています。
新型コロナウイルスの影響で、増加したペット関連支出は?
2020年は外出自粛など自宅で過ごす時間が増え、生活環境が大きく変化した1年でしたが、コロナ禍における生活環境の変化が、ペット関連支出に及ぼした影響はどうだったでしょうか。
コロナ禍の影響で「フード・おやつ」「おもちゃ」「診療費」の支出が増加
犬・猫飼育者さん共に「フード・おやつ」がトップとなり、続いて「おもちゃ・遊び道具」、「病気やケガの診療費」(猫飼育者は同率で2番目)の順となり、犬は次いで「健康維持、免疫向上のためのサプリメント」と続きました。おうち時間が増え、うちの子との絆もこれまで以上に深まり、毎日の健康管理への意識向上と、ちょっとした体調変化も見逃さない飼い主さんが増えているようです。 よりペットの好みのおやつを探したり、健康を考えて体型や年齢に合わせたフードの購入を意識する方が増えている可能性もうかがえます。
「特別定額給付金10万円」、約8割の飼育者が、ペットのためには使わず
一方、昨年支給された「特別定額給付金10万円」について、「ペットのために活用したか」を尋ねたところ、約8割の飼育者が「ペット以外のことに活用した」と回答し、ペットのために活用した飼育者は、2割以下にとどまりました。
さらに、「ペットのために活用した」と回答した方を対象に使途先を尋ねたところ、犬・猫飼育者さんともに「フード・おやつ」が最多で、次に「病気やケガの診療費」という結果となりました。
「支出額が大きいと感じるもの」「コロナ禍で増加した支出」とも、犬猫飼育者に共通して「フード・おやつ」「病気やケガの診療費」の支出割合が高い傾向となりました。支出額の大きいこれらの費用に対し、「特別定額給付金」が充てられたケースもあるようです。
2021年のペット関連の支出見込みは?
大半の飼育者が「変わらなそう」と回答、「増えそう」は約2割程度
「2021年のペット関連支出は増えそうか」との質問には、全体の73.0%が「変わらなそう」と回答でした。一方、犬飼育者さんは、4人に1人が増える見込みであると考えているようです。
2021年に増えそうな支出、約7割の犬飼育者が「病気やケガの診療費」と回答。理由は「ペットの高齢化」
「増えそう」と回答した方にその費目を尋ねると、犬の飼育者さんの69.9%、猫の飼育者さんの62.2%が「病気やケガの診療費」との回答で最多となりました。理由として、「高齢になってきたため」「老齢に伴い検査、治療回数が増えるため」など、高齢化による診療費増加が要因と考えられる回答が多く挙げられています。
また「病気やケガの診療費」と「ワクチン・健康診断などの予防費用」を選んだ理由には、「ペットと一緒にいる時間が増え、体調管理に注意を払うようになったため」「ペットの健康により敏感になり、健康診断などの予防にもお金をかけたいと思うようになったため」など、ペットと一緒にいる時間が増え、より健康を意識するようになったとの理由が見受けられました。
ペットには公的な保険制度がないため、通院や入院、手術にかかる費用は人間と比較すると高額になりがちです。長期的な治療が必要な病気やケガ、獣医療の高度化に伴う検査費用・手術費用の高額化、ペットの高齢化に伴う通院頻度の増加など、さまざまな要因で年間の支出額が大きく感じてしまうのかもしれません。こうした診療費の負担を軽減し、大切なペットの万が一の病気やケガの際に経済的な心配をせずに最善な治療を受けられるよう備えておくため、ペット保険の検討も一考です。
*詳しくは『愛犬の病気やケガに備えていますか? 保険金請求の多い傷病ランキング (2020年度版)』をご覧ください。
【調査概要】
調査対象:全国の犬・猫飼育者
調査人数:985名
調査期間:2021年3月8日~3月16日
調査方法:インターネットにおけるアンケートを実施
☞【関連コンテンツ】アイペット獣医師監修『ペットと私の暮らしメモ』~犬を飼うにはどれくらい費用がかかる?初期費用や支出の割合は?~も、ぜひご覧ください。
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☞例えば、下記のような切り口で、
再発しやすい
長期の治療が必要
初期は無症状が多い
命にかかわるリスクが高い
生涯かかる治療費が高額
高齢犬に多い
病気の進行が早い
緊急治療が必要
入院が必要になることが多い
かかりやすい病気
他の犬にうつる
人にうつる
予防できる
子犬に多い