ペット保険という言葉を聞いたことはありますか?人間と同じように、実は犬にも医療保険が存在します。愛犬に「もしも」のことがあった時、保険に加入をしていれば、保険金がおりて治療費に充てることができるのです。
ただ、「いざという時にお金が出ないから、保険は頼りにならない」などの理由で、保険という仕組み自体に対して、あまりいい印象を持っていない方もいらっしゃると思います。
そこでここでは、保険の仕組みについてわかりやすく解説をしたいと思います。愛犬にペット保険が必要なのか、それとも貯金で問題ないのかを判断する上で、ぜひ参考にしてみてください。
保険ってなんのためにあるの?
保険の起源となるものができたのは、今から約2400年前の紀元前4世紀頃と言われています。たくさんの人が少しずつお金を出しあって、大きな共有の財産を作り、万が一のことがあった場合に集めたお金を分配して、お互いに経済的に助け合うことができるという仕組みが、現在も保険の土台となっています。
簡単にいうと、保険の目的はみんなで少しずつお金を出し合って、一部の人の大きなリスクに備えることができるというものなのです。
ペット保険とは?
動物医療には人間と違って公的な健康保険が存在しません。人間は健康保険に加入していると、治療費や薬代が3割負担ですみますが、ペットの場合は100%自己負担になります。定期的な通院や入院、手術が必要になった場合、100%自己負担だと、とても高額な治療費がかかることもあるのです。
ペット保険とは、大切な愛犬が病気やケガで診療や手術を受けた時、かかった費用の一部、または全額を補償してくれるサービスです。
保険と貯金の違い
毎月コツコツとお金を貯めていって、貯めたお金を全額自分のために使えるのが貯金です。必要とした時に使えるお金は、増えることはありませんが、減ることもありません。それに対して保険は、いざという時、それまで自分が支払っていたお金を全額自分のために使えるとは限りません。逆に支払った額の何倍も高い金額を使うことができる場合もあります。
貯金と保険では根本的な考え方が全く違うのです。
保険に加入するなら補償範囲を必ず確認して!
保険は全員が助け合って成り立つサービス
多くの人から集めたお金を、加入している人々になにかあった時に、再度振り分けるのが保険の仕組みです。「加入していてよかった」と感じる人たちがいるということは、一方では「支払った金額が返ってこなかった」と感じる人たちも、必ずいるということです。
だからこそ、少し面倒だと感じたとしても、保険の補償範囲は事前にしっかり確認しておきましょう。どんな時に保険が使えるのかを知ることは、自身がどの保険に加入すべきかを判断する上で非常に重要なことです。
「絶対に損をするのは嫌!」という場合は、保険よりも貯金の方がオススメ。リスクとメリットを天秤にかけて、じっくり検討してみてください。
補償の手厚さは保険料の金額に比例する・・・?
保険に加入していて、いざという時に使えるお金は、全員で出し合ったお金がベースになっています。保険料(保険会社に支払う金額)が安いということは、全員で集めた金額の総額が小さいということ。そうすると、いざというときに支払われる保険金が少なかったり、保険を適用できる治療に制限があったりと、補償範囲もそれなりに限定されてしまいます。
補償範囲を確認せず、「保険料が安いから」という理由で保険を選んでしまうと、後々後悔することになりかねません。自身が望む補償範囲と保険金をきちんと確認した上で、プランを選ぶようにしましょう。
慢性的な病気になると定期的な診療が必要に
特に高齢になってくると、継続的な治療が生涯必要となる病気にかかりやすくなります。例えば、腎臓がうまく機能しなくなる慢性腎不全は、一度かかってしまうと完治することはほとんどありません。基本的には毎日の療法食や継続的な投薬で、病気が進行するのを防ぎますが、点滴や輸血などの治療が必要となったり、状態が悪化した場合は入院治療が必要となることもあります。
高齢になったり、病気になってから保険加入を検討しても、加入できない場合もありますので、もし保険加入を検討するなら、早めのほうがいいでしょう。『愛犬の病気やケガに備えていますか?』では、よくある症例と診療費の目安をまとめていますので、あわせてご確認ください。
世の中にはたくさんのペット保険があります。手術に特化したものや、保険料が安価なもの、補償が手厚いものなど、その種類は実に様々。基本的な保険の仕組みを理解した上で、保険に加入するかどうか、加入する場合はどのプランを選ぶのか、納得のいく選択ができるといいですね。