海外旅行や急な出張などで、誰も犬を預かってくれる人がいないときに便利なのがペットホテル。最近では、「出発の直前まで犬といたい」という飼い主さんのニーズに応えて、空港併設のペットホテルも登場しています。
一口にペットホテルと言っても、サービスや料金設定などは実にさまざま。初めて利用する場合は、犬も飼い主さんも不安になりますよね。長時間預けるわけですから、慎重に選びたいものです。そこで今回は、安心して犬を預けられる「正しいペットホテルの選び方」を紹介します。
ペットホテルを選ぶポイント
「動物取り扱い業」の登録
まず初めに確認してほしいのは「動物取り扱い業」の登録がなされているかどうかです。どんなに他の条件が良くても、登録証が提示されていないホテルは違法なので利用は控えましょう。
ペットショップやペットホテルは、環境省が定める基準を満たした上で、各都道府県知事、または政令市長の登録を受けることが義務づけられています。「販売」「訓練」「展示」などさまざまな項目がありますが、ペットホテルは「保管」に当てはまります。ホテルのHP、または施設内のわかる場所に登録の証明が掲示されているはずなので、事前にチェックしましょう。
*参考「動物取扱業における犬猫の飼養管理基準の解釈と運用指針~守るべき基準のポイント~」(環境省ホームページより)
清潔な空間
ペットホテルのほとんどは事前見学が可能です。できれば事前に、ホテル内の衛生面を確認しておきましょう。毎日多くの犬が出入りする場所ですから、病気の感染予防がされているか、ケージや個室がキレイに保たれているかを見ておくと良いですね。事前見学を断られるような施設は、選択肢からはずすべきです。
スタッフの対応
接客態度はもちろんのこと、カウンセリングの時間を取ってくれるか、犬に対する姿勢はどうなのをチェックしましょう。
他の犬とのトラブル防止策はあるか
ホテルによっては個別にお世話してくれるケースもありますが、ほとんどの場合、ほかの犬と一緒に散歩をしたり、ドッグランで遊んだりします。そのとき、犬同士がケンカにならないような工夫がなされているか、どのような気配りや管理を行っているのかを担当者に確認しましょう。
スタッフの管理体制
夜間は、防犯カメラで管理するホテルと、24時間スタッフが常駐しているホテルがあります。後者はそれなりに料金もかかります。慎重に判断しましょう。
犬種の確認
犬種によっては管理が難しく、預かれないケースもあります。事前にホテルに確認しましょう。
緊急時の対応
自然災害が起きた場合、犬の具合が悪くなった場合の対策がしっかりと練られているか、確認しておきましょう。
ワンポイントアドバイス
持病を持っている犬でも、動物病院が運営しているホテルや、24時間医療体制が整っている専門ホテルは利用することができます。
一泊あたりの料金目安
ホテルの料金は、個室か大部屋か、また、サービス内容や犬の大きさによっても異なります。ここでは、その種類と料金目安を紹介します。
- 小型
1時間あたり約550円前後 1泊あたり約3,000円前後
- 中型
1時間あたり約650円前後 1泊あたり約4,000円前後
- 大型(超大型含む)
1時間あたり約1,000~1,500円前後 1泊あたり約5,000~6,000円前後
※あくまで目安です。
上記は、大部屋など、集団で犬を預かるペットホテルの目安で、個室の場合はより割高になります。個室制度があるペットホテルの場合、部屋の大きさは、小型が半畳~1畳、中型と大型は2畳程度。2匹一緒に預けられる個室もあります。犬の性格や個体によって、宿泊形態を考えましょう。
進化する設備とサービス
愛犬家の増加に伴い、各地でペットホテルの数も増え、そのサービス内容も徐々に進化しています。飼い主さんや犬に嬉しい新たな設備やサービスも! その一部を紹介します。
スタッフ常駐型
スタッフが常駐し、夜間も対応可能です。急病など、万が一のことがあっても迅速に対応してくれるので、持病がある犬やお泊りが初めての犬におすすめです。
お散歩サービス
回数は施設によって異なりますが、1日2~3回、スタッフがお散歩に連れて行ってくれるサービスです。
トリミングサービス
シャンプーや爪切りなど、お泊りの間にトリミングを行います。マッサージつきのホテルも人気。
空気清浄機完備
空気清浄機や加湿器を完備している施設もあります。個室の場合、一部屋ごとに設置されている場合も。
ドッグラン
犬のストレスが溜まらないように、ドッグランを併設。他の犬と遊んだり、走り回ったりと、日頃から動くことが大好きな犬にピッタリです。
WEBカメラの設置
旅先から、飼い主さんがいつでもパソコンやスマートフォンで確認できるように、WEBカメラを設置しているホテルが増加しています。「犬をいつでも見守っていたい!」という飼い主さんにおすすめです。
お泊りの準備をしよう
お泊り10日前までにしておくこと
予防接種を済ませておく
多くのペットホテルでは、利用の前に「予防接種証明書」の提出が求められます。接種を済ませていない場合は、利用の10日前までに病院で済ませましょう。
健康状態をチェックしておく
日頃の体調をスタッフに伝えることもあるので、健康状態を見ておきましょう。体調が万全でない場合は、宿泊をキャンセルされる必要があります。
ケージやクレートに慣れさせておく
多くのペットホテルでは、ケージやクレートで犬を預かることになります。普段からケージを使用している犬は安心ですが、使用したことがない場合、慣れない環境に犬はストレスを感じてしまいます。毎日時間を決めて、ケージやクレートに慣れさせましょう。
*詳しくは、ワンペディアの関連記事もご覧ください。
飼い主さんがいない状態に慣れさせておく
ちょっと寂しいですが、これも大切な準備です。普段飼い主さんと離れることのない犬が、いきなりひとりぼっちにされると大きなストレスになります。さらに、無駄吠えをする癖もついてしまい、宿泊の際、他の犬の迷惑になってしまうことも…。ケージやクレートと同様、毎日数時間お留守番の時間を作り、飼い主さんと離れることに慣れさせましょう。
犬を環境に慣らすため、事前に何時間か預かってくれるホテルもあります。初めて宿泊する場合は、そういう施設を選ぶと犬のストレスも軽減されますね。
お泊り前日にしておくこと
お泊りの日数分のご飯を用意
ご飯を用意してくれるところもありますが、多くの場合は犬の健康を考え、普段食べ慣れているフードを持参します。食器持ち込みOKの施設もあるので、確認しましょう。
いつも使っているおもちゃや毛布を用意
知らない場所で過ごすのは、人間でもストレスを感じますよね。犬も、もちろん不安でいっぱいです。日頃から使用しているおもちゃや毛布を一緒に預け、犬をリラックスさせてあげましょう。
家族と離れて過ごすということは、人間同様、犬も不安やさみしさでいっぱいです。多少お金がかかっても、犬の性格に合った預かり形態やサービス内容を選び、万全の状態で送り出してあげましょう。
サービスの種類が幅広いので、料金もペットホテルによってかなりの差があります。ペットのことをきちんと考慮してくれるペットホテルは、どうしても金額は高めになるもの。ちょっと面倒かもしれませんが、事前にしっかり調べてから預ける先を決めてみてはいかがでしょうか?
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再発しやすい
長期の治療が必要
初期は無症状が多い
命にかかわるリスクが高い
生涯かかる治療費が高額
高齢犬に多い
病気の進行が早い
緊急治療が必要
入院が必要になることが多い
かかりやすい病気
他の犬にうつる
人にうつる
予防できる
子犬に多い
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