愛犬が何らかの怪我や病気を患った場合、時には入院が必要となるケースがあります。

家族と過ごすおうちから離れて動物病院ではどのように過ごすのか、入院に備えてどのような準備が必要なのか、など、ご家族にとって不安な点も多々あるかと思います。

ここでは、動物病院での犬の入院生活について説明します。

 

 

入院にはどんな利点があるの?

動物病院での入院管理には、以下のようなメリットがあります。

 病気や怪我に対して集中的に高度な医療を受けることができる

 状態の変化を早期に発見し、迅速に対応することができる

 酸素吸入や静脈点滴など、医療機器が必要な治療を受けることができる

など

 

 

 

どんなときに入院するの?

入院が必要となるケースは以下のようにさまざまです。

 手術の前後

 全身麻酔が必要な処置や検査の前後

 抗がん剤治療の前後

 状態が悪いとき

 静脈点滴が必要なとき

 輸血が必要なとき

 食欲がまったくないとき

 酸素室での治療が必要なとき

 温度管理が必要なとき

 安静が必要なとき

 自宅での看病が難しいとき

など

 

 

どんなお部屋に入院するの?

入院室の種類は、動物病院の施設によって異なります。

一般的には、「一般入院室」「ICU」「隔離入院室」などがあり、動物の病状や性格、体格などによって適切な入院室が選択されます。

基本的には他の動物と接触することがないよう、1部屋に1頭ずつ入る個室タイプの入院室となっています。

 

● ICU

ICUとは、Intensive Care Unit の略称で、「集中治療室」のことを指します。

名の通り、集中的な治療が必要な重症の犬が入院するお部屋で、一般的には酸素濃度や温度・湿度をコントロールしながら入院管理をすることができます。

 

● 隔離入院室

何らかの感染症に罹ってしまった犬が入院するお部屋です。

他の動物たちに感染症が伝播しないよう、隔離された場所にあり、そこで適切な治療を受けることができます。

 

● 一般入院室

ICUや隔離入院室での入院管理が必要ではない犬が入院するお部屋です。

ステンレス製のケージである場合が多く、大きさは犬の体格によって適したお部屋が選択されます。

 

いずれの入院室においても、床にはペットシーツやタオルを敷く場合が多く、お部屋の中で排泄をした場合には速やかにスタッフが清掃を行います。

ペットシーツやタオルを噛んだり食べたりしてしまう子の場合には、誤食防止のため、金属製の網などをペットシーツの上に設置することもあります。

 

 

 

入院中のごはんやお散歩は?

入院中の食事は、動物の病気や病状によって、適した食事を担当の獣医師や動物看護師が選択して与えるケースが多いです。普段食べ慣れた食事を持参してもらう場合や、院内にある療法食や総合栄養食からその子の病気や年齢に適した食事を選んで処方される場合があります。

食物アレルギーがある場合には、入院前に必ず獣医師に伝えましょう。また、食器にこだわりがある犬の場合には、ご自宅から持参するとよいでしょう。

食事の回数は1日2回が一般的ですが、病態や年齢に応じて回数が増えることもあります。

食欲がなく、自力でごはんを食べるのが難しい場合には、強制給餌を行うこともあります。

お散歩の有無は、病状によって異なります。絶対安静が必要な怪我や病気の場合には、散歩は控えてお部屋の中で過ごしてもらうこともあります。また、外でしか排尿・排便ができない子の場合には、入院前に伝えておきましょう。

 

 

夜間や休診日の入院は?

夜間や休診日の入院管理は、動物病院によって対応が異なります。

獣医師が常駐している病院もあれば、2〜3時間ごとに見回りがある病院、夜間や休診日にはスタッフが不在となる病院もあります。また、スタッフが不在の間は、監視カメラやモニターを使って、遠隔で状態を確認できる病院もあります。入院前に確認してみましょう。

 

 

 

入院のための準備は?

入院のための持ち物は動物病院によって異なるため、まずは病院に確認してみましょう。

 

◎持ち込み可能な場合にあるとよいもの◎

・普段使い慣れている食器や毛布、おもちゃ

・リード、ハーネス

・フード

・処方されている薬、サプリメント

・エリザベスカラー(必要に応じて)

・ウェア(必要に応じて)

 

 

 

 

面会はできるの?

一般的には面会可能な病院が多いですが、面会ができる時間帯などは病院によって異なります。入院前に、動物病院に確認しましょう。

また、飼い主さんを見ると過度に興奮してしまう子や、酸素管理が必要な子などの場合には、面会の制限や、入院室の扉を開けての接触ができない場合もあります。愛犬を撫でたり抱っこをする前に、必ず獣医師や動物看護師に確認しましょう。

 

 

 

 

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フクナガ動物病院 獣医師

福永 めぐみ

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