結膜とはまぶたの内側の粘膜のことで、ここに炎症がおこります。細菌・ウイルスによる感染の他、砂・ほこりなどの異物、まつ毛の生え方の異常などにより結膜が刺激され、炎症がおこり発症することもあります。また、アレルギー、涙の減少が原因で発症することもあります。
こんな症状が出たら気をつけて
一般的には、痒みや痛みがあるために異常なほど目を気にするようになり、前肢で目をこすったり、顔を床にこすったりします。このようなとき、目のまわりが涙でぬれていたり、目やにが出ています。また、まぶたをめくると、結膜が充血して腫れています。
診療方法
飼い主のお話と症状、ならびに目の観察によって診断します。感染が疑われるときは、目やにをとり細菌学的な検査を行うこともあります。まず原因となっていものを取り除くため、リンゲル液や精製水などを使って洗眼を行います。続いて、原因に応じて抗炎症剤、抗生物質などの点眼薬による治療を行います。
結膜炎は比較的、治療によく反応します。ただし、アレルギーが原因の場合は良くなるまでに時間がかかります。場合によっては、継続的に点眼薬が必要になることもあります。目やにが出ていないか、涙が多くないか、目を日頃から観察しましょう。
乾性角結膜炎
涙は常に目の表面を覆って、目を守っています。乾性角結膜炎とは、涙が減少することにより、角膜、結膜に炎症がおきる病気です。通称ドライアイとも呼ばれています。先天性、神経性、自己免疫性、突発性などが原因として挙げられます。
症状
ネバネバした膿のような目やにや結膜の充血が見られます。角膜が白く濁ったり、茶色く色素沈着が起こることもあります。角膜が広く茶色い色素に覆われてしまうと、目が見えなくなる可能性もあります。
診療
涙の量を測定して、診断を行います。治療には、人工涙液や免疫抑制剤の点眼などが使用されます。長期に及ぶ治療が必要となり、点眼をやめることで再発することもありますので、気長に上手に付き合っていく必要がある病気です。
結膜炎になりやすい犬種
ヨークシャー・テリア、キャバリア、シーズー、ミニチュア・シュナウザー、パグ、ブルドッグ、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアなどで多く見られるとの報告があります。
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