Cute pomeranian dog resting on sofa

 

犬を飼い始めた時、誰しもが考えなければならない、避妊・去勢の問題。愛犬に手術を受けさせるのかどうかを考えるとき、発情期に対する知識は正しく身につけておきたいですよね。ここでは獣医師監修のもと、犬の発情期に対する知識と、発情した時に飼い主さんが気をつけるべきことについて解説します。 

犬の発情期って?

メスの発情期 

メスは生後6~12ヶ月ごろから、オスは10~12ヶ月で大人としての体ができあがり生殖活動ができるようになります。ただし、生殖活動ができるまでに体が成長しても、メスはいつでも妊娠できるわけではありません。メスが妊娠できる時期を「発情期」と言います。 発情期を迎えるまでにはサイクルがあります。

cycle

発情前期 

発情前期は平均で8日ほど続きますが、個体差が大きく3~27日の差があります。子宮内に血液が増え、外陰部から出血が見られます。一般的に「犬の生理」とも呼ばれています。 

発情期 

妊娠可能な発情期は、平均10日ほど続きます。こちらも個体差があり、5~20日の差があります。発情期に入って2~3日後に排卵がおこり、卵子が子宮までおりてきます。受精可能な時期は排卵がおこった約60時間後から2日間となるので、発情期が始まってから5~7日間で交尾をすると妊娠しやすいと言われています。妊娠を望む飼い主さんは覚えておくといいでしょう。尚、犬は妊娠すると1回の出産あたり平均で3~6匹の子犬を産むと言われています。 

発情休止期 

発情休止期は、約2ヶ月間続きます。これは、妊娠した犬にとっての妊娠~出産、そして授乳の時期にあたります。妊娠していない犬は、通常の生活と変わらない場合がほとんどですが、稀に妊娠をしていないにも関わらず、妊娠したかのように振舞うことがあります。これは偽妊娠と呼ばれていて、スリッパやぬいぐるみを赤ちゃんに見立てて、巣作りをしたり授乳しようとしたりすることも。実際に乳腺がふくくらみ、母乳が出ることもあります。 

生理現象なので、だいたい10~15日程度で自然におさまるのですが、中には病院に連れて行ったほうがいいケースもあります。以下の様子が見られるようであれば、一度かかりつけの獣医さんに相談してみましょう。 

 

□ 乳房に痛みがある場合(触られるのを嫌がる場合) 

□ 長引く場合 

□ 発情期のたびに偽妊娠が起こる場合 

 

無発情期 

発情休止期が終わり、次の発情前期を迎えるまでの間を無発情期といいます。4~8ヶ月ほど続くこの期間中は発情行動が見られません。 発情前期からはじまって無発情期が終わるまでの期間も個体差がありますが、だいたい半年から1年かかると言われています。つまり、発情期は年に1~2回訪れると考えていれば問題ないでしょう。6~7歳をこえると発情周期が不安定になり、周期自体が長くなる傾向にあるようです。 

オスの発情期 

オスには、メスのような発情のサイクルはありません。発情期を迎えたメス犬の出す性フェロモンを嗅ぐことによって交尾本能が刺激されて発情します。オスは状況や場所を問わず、発情期のメスからの刺激があれば、いつでも発情するので、去勢をしていないオスをメスと引き合わせるときには注意が必要です。 

発情期中に飼い主さんが気をつけること 

メスの場合 

Toy Poodle playing in a park

 

メスは発情前期になると、外陰部から出血をします。出血量は体の大きさによっても異なりますが、人間のように大量に出血するようなことはなく、少量垂れる程度の出血です。中には飼い主さんが気付く前に、自分でなめとってしまう子もいます。生理パンツやナプキンなど、犬用の生理用品もありますが、パンツを履いている間はトイレができないため、犬に負担をかけたくないのであれば、血が垂れているときに都度拭いてあげる方がいいかもしれません。寝ているときの出血が気になるようであれば、愛犬がよくいる場所にペットシーツを敷いてあげてもいいでしょう。 

 

とはいえ、必要に応じて生理用品は準備しておいてください。外出時は、発情中の性フェロモンを嗅ぎつけてオスが寄ってくることも考えられます。望まない妊娠を防ぐために、お散歩に行くときなどは生理用品を身につけさせてあげたほうが安心です。 お散歩をやめる必要はありませんが、極力オスとの接触を避けましょう。生理用品をしていても、ドッグランなどのように犬が集まる場所には連れて行かないほうがいいと思います。 

オス場合 

オスは、遠く離れているメスの性フェロモンも感じ取ることができると言われています。未去勢のオスの場合、散歩中に発情期中のメスに対して交尾をする可能性もありますから、愛犬が他の犬と交流をする際は十分に注意をして下さいね。またドックランに連れて行く時も、飼い主さんは愛犬から目を離さないようにしましょう。 

 

※参考資料:「獣医繁殖学 第3版」  浜名克己・中尾敏彦・津曲茂久 編   文永堂出版 

 

 

避妊・去勢手術を受けさせるかどうかは、多くの飼い主さんが頭を悩ませることだと思います。決して正解はありません。手術を受けさせることにも、受けさせないことにも、メリットとデメリットがあります。(避妊・去勢手術のメリット・デメリットについては、『獣医師が解説!犬の避妊・去勢手術はすべき?』の記事を参考にしてみてください。) 

飼い主さんがその子の幸せ考えて、納得して出した結論であれば、その選択で間違いないと思うのです。発情期の知識についても正しく理解した上で、判断をするときの参考にして頂けたらと思います。 

アイペット獣医師

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