アイペット損害保険株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員:山村鉄平 以下、当社)は、犬・猫(以下、「ペット」)飼育者の942名を対象に、ペットのための防災対策に関するアンケート調査を実施しました。

 

2018年に行った同調査結果と比較すると、「自宅から最寄りの避難場所を知っている」飼い主さんは大きな災害の多かった2019年を経て増加していましたが、「同行避難」 を正しく理解できている飼い主さんは減少していました。

東日本大震災から9年が経過しましたが、風化させることなく防災への基本的な理解や意識を高め、ペットのための防災対策をさらに考えていく必要がありますね。

ペットのための防災対策をしていますか?

災害を想定して、ペット向けの防災対策は何かしているかを尋ねたところ、犬飼育者の回答では「『待て』や『おすわり』など基本的なしつけができている」がトップで、2018年時の調査と同様の結果となりました。

猫飼育者の回答では「普段から誰かが一緒にいるようにする(ペットだけで長時間お留守番をさせない)」「ペット用の防災グッズ(食料・用品等)をそろえている」が同率でトップとなりました。一方で猫飼育者からは「特に何もしていない」との回答も6割近くありました。

ペットのために現時点で備えているものはなんですか?

ペットのために現時点で備えている防災グッズを尋ねたところ、犬・猫飼育者共に「フード(おやつ含む)・飲料水」が7割を超えました。次に多かったのが、犬飼育者は「リード」、猫飼育者は「トイレ用品(猫砂を含む)」という回答でした。

最寄りの避難場所を知っていますか?

自宅から最寄りの避難場所を尋ねたところ、「知っている」と回答した方は78.3%で、2018年時の調査と比べ6ポイント増となりました。2019年は台風や記録的な大雨など自然災害が多い年であったため、災害へ対する意識が高まっているようです。

さらに「知っている」と回答された方のうち、「避難場所にペットを連れて避難できるか知っていますか?」と尋ねたところ、「知っている(連れていけるが、建物の中に一緒に入ることができるかはわからない)」「知らない」を合わせ、全体の7割以上がペットと避難場所で一緒に過ごせるかどうかわからないという結果でした。

中でも、猫飼育者では6割以上が「知らない」という回答結果となりました。また、「知っている(連れていけて、建物の中に一緒に入ることもできる)」「知っている(連れていけるが、建物の中に一緒に入ることはできない)」の回答については、犬飼育者が32.9%なのに対し、猫飼育者は21.3%となり、回答に差がでる結果となりました。

 

これは、猫飼育者に比べ犬飼育者は情報接触の機会が多いこと(散歩、動物病院、メディアなど)から、日頃から情報量が多いということも理由の一つとして想像することができるのではないでしょうか。

最寄りの避難場所がペットを連れて避難できるか知っていますか?

避難先でのペットに関する心配事はありますか?

ペットと一緒に避難生活を送ることを想定した場合、ペットに関する心配事を尋ねたところ、犬飼育者の回答は、「他人や他のペットとのトラブル」「慣れない場所でのトイレ」の順で、猫飼育者の回答は、「慣れない場所でのトイレ」「他人や他のペットとのトラブル」の順となり、トップ2にはともに同じ回答が並びました。避難生活における心配事は、犬・猫飼育者共通のようです。

避難所で生活する場合、どのような環境が理想ですか?

ペットの「同行避難」、「同伴避難」の違いについて、正しく理解していますか?

以下の文章を提示し、それが「同行避難」「同伴避難」どちらに当たるかを尋ねたところ、正解である「同行避難」を選択した方は51.8%でした。2018年時の調査と比較すると、減少してしまっています。

 

〈災害の発生時に、飼い主が飼養しているペットを同行し、指定緊急避難場所まで避難すること〉

また、災害時ペットは飼い主との「同行避難」が原則とされていることを知っているかどうか尋ねたところ、8割以上が「知らない」と回答しました。ここ数年自然災害なども多く、避難所でのペットの受け入れについてメディアなどでも取り上げられるなど、「同行避難」というキーワードを耳にする機会も増えてきましたが、まだまだ認知度は低いようです。

あなたのペットはマイクロチップを装着していますか?

災害時の迷子対策として有効といわれているマイクロチップの装着有無についても尋ねたところ、装着率は犬飼育者で27.4%、猫飼育者で11.7%、全体でも20.6%にとどまりました。

さらに「装着している」と回答した方を対象に、装着目的を尋ねたところ、犬・猫飼育者ともに「装着されていたペットを迎え入れた」がトップで、加えて「迷子防止」「装着を義務だと感じた」も多い結果となりました。

また、「装着していない」と回答した方を対象に、今後装着の可能性を尋ねたところ、「検討しない」が全体の6割を超えました。さらに、「検討しない」理由を尋ねたところ、犬・猫飼育者とも、「必要性を感じない」が30%を超えてトップとなりましたが、「(異物を入れることが)健康上不安なため」「痛そう、かわいそうだから」の合計が犬飼育者で46.8%、猫飼育者で40.0%と、ペットへの影響を懸念する声も目立ちました。

 

これらの結果は、2019年の改正動物愛護法によりマイクロチップの装着が義務化(既に飼育している人は努力義務)されたこと自体の認知もさることながら、マイクロチップ導入の目的、またそもそもの有効性が一般飼育者へ知られていないことが背景にあるのではないでしょうか。

2019年に成立した「改正動物愛護法」では、販売用の犬や猫へのマイクロチップ装着などが義務づけられました(既に飼っている人については、装着は努力義務)。マイクロチップは、飼い主の責任を明確にすることで、捨て犬や捨て猫を防ぐ狙いがある他にも、災害時には、迷い犬・猫の発見などにも有効な手段になると言われています。

 

令和元年となった2019年は、過去最強クラスの台風や記録的な豪雨など、自然災害による甚大な被害が多く発生した年でした。大雨により各地で浸水被害をもたらした台風19号では、避難勧告がでているのにもかかわらず、「ペットを残していけない」という理由から避難しない飼い主も多くいたと言われています。

環境省発行の「人とペットの災害対策ガイドライン」では、飼い主とペットが原則一緒に避難することが明示されています。万が一の時、大切なペットを守れるよう、行政が発信する情報に日ごろから耳を傾けるとともに、どんな備えが必要か、有事の際にペットとどのような行動をとるべきかなどを考えておく必要があるといえるでしょう。

 

【昨年の調査】

ペットのための防災対策に関する調査(2018年)

 

【調査概要】

調査対象:全国の犬・猫飼育者
調査人数:男女942名
調査期間:2020年2月12日~2月15日
調査方法:インターネットによるアンケートを実施

 

今回の調査結果について詳しくは『ペットのための防災対策に関する調査』をご覧ください。

 

 

 

アイペット損害保険株式会社

ワンペディア編集部

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