2018年の干支は戌。年賀状のデザインに愛犬を使えるから、年賀状作りが例年より楽しい!という方も多いのではないでしょうか。でも実のところ干支を気にするのは年末年始だけで、由来をしっかりと答えられる方は少ないのでは?ここでは干支の戌の由来と、そこから見える人と犬の関係性の歴史をご紹介します。
実は戌年の由来は動物の犬ではない
十二支に用いられる漢字は「子、丑、寅・・・戌、亥」のように動物を表すものとは異なる漢字を使います。実は干支は動物とは全く関係なく、季節ごとに移り変わる植物の様子を表す漢字です。
そのままの漢字の意味ではややこしく、覚えにくいので、一般庶民に普及させるために身近で馴染みのある動物を当てはめることにしたそうです。
元日の朝、神様のもとに訪れた順番に十二支が決まったという民話は、後から作られたお話なのです。
犬の縁起について
皆さんがよく知っている動物が当てはめられた十二支ですが、どの干支にもいわれがあります。犬の縁起は以下のように言われています。
安産の守り神
犬はお産が軽く、子だくさんなので、安産祈願や健やかな育児を祝福する神として祀られてきました。これにあやかり12日に一度訪れる戌の日には、妊婦さんと赤ちゃんの無事を願って、安産祈願が行われるようになりました。 「帯祝い」は、妊娠5ヶ月目の最初の戌の日に、妊婦さんが腹帯を巻いて安産をお祈りする儀式をいいますが、時代や地域によって風習や習慣にも違いがあるようです。
忠誠の象徴
飼い主さんに従順で命令をよく聞く犬。時には自分の身を犠牲にしてまでも飼い主さんを守ろうとする忠義心に溢れています。忠犬ハチ公など、逸話もたくさんありますよね。飼い主さんとの関係が深いほど気持ちを理解し、寄り添う、良き友と呼ばれる存在で、「勤勉で努力家」といわれています。
人と犬の関係性
人の良きパートナーである犬。それはペットとして愛されるようになってからではなく、日本の場合は縄文時代からであると言われています。この時代の犬は人と共に狩りに出て、鹿や猪の追跡・捕獲を行っていたと言われています。常に人と共に移動し、古墳時代には番犬や穀倉内での鼠駆除などの役割をしていたようです。犬はどの時代においても人に大切にされてきたからこそ、忠実で利口な性格になったのかもしれませんね。
愛犬と一緒にお参りできる!犬にやさしい神社
古代から人に親しまれてきた犬ですが、日本には人と犬の出会いがきっかけでできたとされる神社や、時代に合わせて創建された神社があります。
武蔵御嶽(むさしみたけ)神社
東京都青梅市の御岳山の頂上にある武蔵御嶽神社。日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が東征した際、御岳山の辺りで道に迷ってしまったとき、白狼が現れて道案内をしました。無事目的地に着いた日本武尊は白狼にむかって、「この御岳山に留まり、すべての魔物を退治せよ」と命じたと伝えられています。
そのいわれから、盗難除け・魔除けの神様であるニホンオオカミが祀られており、江戸の昔から「おいぬ様」として親しまれています。
武蔵御嶽神社の最大の魅力は、犬も御祈祷を受けられること。愛犬の健康や長寿を祈願できるパワースポットです。また、御岳山には犬の散歩ができるコースがあったり、ケーブルカーに犬と一緒に乗ることができたりと、参道も犬と共に楽しめます。
住所
東京都青梅市御岳山176番地
座間神社
神奈川県の座間神社の境内にある伊奴寝子(いぬねこ)社は、大切なペットの健康や幸せを願い、病気や怪我の回復を祈り、事故などに遭遇しないため全ての愛しい生き物たちをお守りするための神社です。犬の飼い方はここ最近で変わってきています。庭で番犬として飼っていた時代から、愛する我が子のように家族の一員として生活を共にするようになりました。そんな時代の変化にあわせて2012年に創建されたペットたちのための神社です。境内にある「犬」「猫」像を手の平でさすると願いが叶えられるといわれています。
住所
神奈川県座間市座間1-3437
市谷亀岡八幡宮
東京都市ヶ谷にある市谷亀岡八幡宮では、ペットと一緒の初詣や、犬の七五三、成人式を行うことができます。犬・猫の他にも小鳥やハムスターも参拝できる、数々のペットに寄り添った神社です。またペット御守りの種類も豊富なので、遠方でペットを連れてこられない飼い主さんも御利益をあやかることができますよ。
住所
東京都新宿区市谷八幡町15
昔から関係が深かった人と犬ですが、「家族」として親しまれてきたのはごく最近のこと。ペットと一緒に出かけるスポットが増えたのも、「ペットの家族化」が進んできたからです。しかし基盤となっているのははるか昔から伝わる人と犬との関係性なのですよね。2018年は戌年。愛犬との生活に感謝し、いろいろな場所に一緒にお出かけしてみてはいかがですか?