長くてエレガントな毛並みに、愛らしい容姿を持ちながら、実はねずみ捕りで活躍してきた歴史を持つヨークシャーテリア。テリアというだけあって、性格はワイルドな一面があります。ここではそんなヨークシャーテリアの歴史から飼育する上での注意ポイントなどをご紹介します。

「動く宝石」として愛され続けるヨークシャーテリアの歴史

ヨークシャーテリアはイギリス発祥の犬種です。1862年に「ブロークン・ヘアード・スコッチ・オア・ヨークシャーテリア」と命名され、それが短縮されてヨークシャーテリアとなりました。現在は、「ヨーキー」の愛称で親しまれる小型犬の代表的な犬種です。

ヨークシャーテリアは、もともと家を荒らすネズミを捕るために進化した犬種。ネズミ捕りとして活躍していた当初は今よりも体が大きかったようですが、徐々に小型化して室内犬として定着するようになりました。

ネズミ捕りをするワイルドな一面を持つ一方で、ストレートに伸びた光沢のある毛がゴージャスで、歩き姿にも気品があり「動く宝石」とも呼ばれています。

ヨークシャーテリアは遊び好きでワイルドな性格

ネズミ捕りをしていたことからもわかる通り、ヨークシャーテリアは勇敢で賢い犬種です。テリアの特徴である気の強さや頑固さ、飼い主以外の人への警戒心の強さなども持ち合わせているので、他の室内犬にはないワイルドな一面もあります。

また、遊び好きな子が多いのも特徴です。品のある見た目に反して、活発に動き、良く遊ぶ性格も、ヨークシャーテリアが愛される理由となっています。

ヨークシャーテリアの特徴

美しく長い被毛

ヨークシャーテリアの見た目の最大の特徴はそのストレートで美しい被毛。長く伸びた毛は、ヨークシャーテリアのゴージャスな印象の象徴です。ヨーキーの毛はシングルコートといって、下毛(アンダーコート)がありません。そのため、抜け毛が少ないという特徴がありますが、その分寒さには強くないので、寒い時期の室内管理は注意が必要です。

また、ヨークシャーテリアの毛はすぐに伸びるため、1~2カ月に一度のトリミングが必要になってきます。ヨーキーと言えば頭の上でリボンを結んでいるイメージがあるかもしれませんが、これはすぐ伸びる被毛が目にかかってしまうのを防ぐためにリボンをつけているのです。

ヨークシャーテリアのカット

ヨークシャーテリアのカットにはいろいろな方法があり、カットスタイルによって見た目の印象はガラッと変わります。

長毛スタイル

ゴージャスに見せたい場合には、毛先だけそろえて伸ばした長毛スタイルがおすすめ。ただし、毎日ブラッシングをしないと毛玉になりやすいので注意してくださいね。

テディベアカット

一方で、毛をかなり短く刈り込むスタイルにすると愛らしさが増し、活発な印象になります。全体的に毛を短めに刈った「テディベアカット」。

リボンで結ぶスタイル

体は短め、顔は長めにカットし、頭の毛はリボンで結ぶスタイルも人気。顔回りをすっきりさせて上の方の毛だけを長く伸ばしたり、顎の部分を長くするなど様々なアレンジを楽しめるのもヨーキーを飼う楽しみの一つですね。

ヨークシャーテリアの体の大きさ

ヨークシャーテリアの大きさは同じ犬種でも幅広く、1㎏台の非常に小さい子もいれば、5㎏くらいになる子もいます。平均体重は2.5kg~3㎏と言われていますが、 おうちのヨーキーちゃん が大きいのか小さいのか、痩せているのか太っているのかについては、獣医さんに確認したほうがよいでしょう。肥満度の指標である「BCS」をお家でチェックするのも一つの方法です。

‘BCSの詳しい説明はこちら’

飼育する上で気を付けるポイント

被毛のケア

ヨークシャーテリアの特徴である長くて美しい被毛は、お手入れをしないと毛玉ができやすいのが難点。1~2か月毎のトリミングと、定期的なブラッシングをしてあげましょう。ブラッシングをすることで、見た目を美しく保つだけでなく、毛玉の予防もできます。また、頭の上の毛が目に入らないよう、リボンで結ぶなどの工夫をしてあげる必要もあります。ヨークシャーテリアの毛はシングルコートなので、ダブルコートの犬に比べると寒さに弱いのでしっかりした寒さ対策が必要になります。

ヨークシャーテリアの運動量

ヨークシャーテリアは小型犬の中では比較的運動量の多い犬種です。体が小さい子であれば軽いお散歩程度で十分ですが、 ネズミ捕りとして活躍していた犬種ですので、おもちゃを振り回す遊び方が好きな子が多いようです。

体が小さい分、首も非常に細いため、お散歩のときは首輪よりもハーネスのほうが体に負担がかからないのでオススメです。

ヨークシャーテリアのご飯の量

ヨークシャーテリアは体重に個体差があります。ペットショップなどで言われる犬種の理想体重と、その子にあった体重は大きくかけ離れている場合もあるので、一度かかりつけの獣医さんに相談するといいでしょう。

ドックフードのパッケージや飼育本にも目安量が記載されていますが、同じ量を食べていても体格の違いから太る子、痩せる子がいるので、まずは動物病院で体型を診てもらいましょう。その上でフードの量を調節してみてください。

しつけの方法

ヨークシャーテリアは、そのかわいい容姿から甘やかされることが多いかもしれませんが、猟犬としての頑固で勇敢な性格を持っているため、甘やかすことに慣れてしまうと、言うことを聞かないわがままな子になってしまうことがあります。頭が良く、飼い主さんの行動もよく見ているので、愛情が甘やかしにならないように注意しましょう。

ヨークシャーテリアがかかりやすい病気

膝蓋骨脱臼

膝蓋骨は「膝のお皿」のこと。この構造が生まれつき弱く、外れてしまう病気が膝蓋骨脱臼です。時々びっこを引いたり、どちらかの足をかばう症状がみられたりしたら、獣医さんに診てもらいましょう。膝蓋骨脱臼は重症度によって治療が異なります。軽度の脱臼では体重や環境の管理、サプリメントで経過を見ることがありますが、重症だと手術が必要になることもあります。

膝の負担を減らすためにお家でできることは、太らせないことと、フローリングなどの滑る床ではなくカーペットなどを敷いてあげること。また、滑り止めの役割を持つ肉球がしっかり機能するように、足裏の毛を刈ることも大切です。

ソファなどから飛び降りたときのちょっとした衝撃でも関節に大きな負担がかかるので、家の中の段差を少なくしてあげると良いでしょう。

気管虚脱

気管とは口から吸った空気の肺までの通り道のこと。気管の強度が弱くなってしまい、つぶれてしまう病気が気管虚脱です。気管虚脱になると、運動時やリードを引っ張った時に突然咳き込みます。よく、「ガチョウの鳴き声のような咳」という表現をされます。軽度の気管虚脱では内服薬などの内科的治療、重症では手術が必要になる場合があります。

また、気管虚脱がある子は、首に負担のかかる首輪からハーネス(胴輪)に切り替える必要があります。肥満も呼吸の負担を増やして気管虚脱の悪化要因になるため、太らせないことも大切です。ヨーキーは非常に気管虚脱が多い犬種なので、苦しそうな呼吸や咳が出る場合には獣医さんに相談しましょう。

尿路結石

ヨーキーは、膀胱に石ができてしまう膀胱結石が多くみられます。 、もともとの体質、肝臓の病気など、ざまざまな原因で結石ができます。結石が膀胱を刺激すると、膀胱炎を起こして頻尿や血尿が出ることがあります。

膀胱結石になってしまった場合、治療は食餌療法と手術です。結石の種類によっては石が溶けたり、流れたりすることもあるので、絶対に手術が必要というわけではありません。 、きちんと様子を見てあげてください。おしっこの量が減ったり、色がオレンジっぽくなっていたり、排泄時に痛がる様子を見せていたら、早めにかかりつけの獣医さんに相談するようにしましょう。

KCS(乾性角結膜炎)

涙の量が減ってしまう、いわゆるドライアイのことです。涙の量が減ることで眼の表面を保護できなくなり、かぴかぴの目やにが増えることで病気に気付く飼い主さんが多いです。

治療は点眼薬で行うことが多いですが、発症すると一生続けなければいけないことが多いです。そのため、小さいころから顔回りを触る練習をしておき、目薬に抵抗がないように訓練しておくことも大切です。そのままにしておくと、目の表面の炎症や細菌感染から傷ができてしまうリスクもあるので、黄色い目やにに気付いた場合は早めに獣医さんに診てもらってください。

歯周病

ヨーキーのように口が小さい犬種は、奥歯までお手入れが行き届きにくく、歯周病になる場合があります。歯周病になると口臭がきつくなり、悪化すると歯根が溶け、骨折することも。歯周病にならないためには、歯磨きは大切です。子犬の頃から、口周りに触れられても嫌がらないように訓練しておきましょう。

飼育に向いている人はどんな人?

遊び好きで活発、寂しがりやな性格なので、一人暮らしではなく家族で住んでいる人に向いているでしょう。お家にいる時間が長い人にもおすすめです。また、甘やかさず、しっかりしつけられることも大切なので、時には厳しく、そして愛情をたっぷり注げる人がよいでしょう。小さい子どもの遊び相手としても向いていますが、骨は細く弱いため、落下などの事故による骨折には注意してくださいね。

 

いかがでしたか?容姿からは想像ができない、猟犬というワイルドな歴史をもつヨークシャーテリアですが、その可愛らしい容姿と性格ゆえにしつけにはちょっと苦労しそうですね。甘やかしすぎず、でもたっぷりの愛情をもって迎え入れてあげましょう。

アイペット獣医師

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