手術前の犬

犬の去勢については様々な情報があふれていて、選択を迷う方も多いのではないでしょうか?手術を受けさせた方がいいのか?するならいつがいいのか?賛成派の意見も反対派の意見もたくさんありますよね。

獣医師の観点から、犬の去勢のメリット・デメリットを中心にご説明します。とはいえ、麻酔のリスクや健康な体にメスを入れることに抵抗があるという方もいらっしゃると思いますので、かかりつけの獣医師とよく話し合って、去勢手術するかどうかを決めてくださいね。

なぜ去勢が必要なの?(去勢のメリット)

病気の予防

去勢手術をする事で、精巣腫瘍、前立線肥大、肛門周囲線種、会陰ヘルニアなどの病気が予防できます。どの病気も高齢犬では比較的かかりやすく、かかった場合、大きな手術が必要になることもあるので若いうちに去勢手術を行って予防してあげましょう。

精巣腫瘍

精巣にできる腫瘍です。高齢になってから発症する事が多く、治療は手術が必要なためリスクを伴います。去勢手術をしておくことで、発症を防ぐことができます。

前立線肥大

オスの生殖腺である前立線が肥大して、頻尿や便秘などの症状がでます。老犬に多く見られ、ある論文では未去勢のオスの場合、6歳における発症率が約60%、9歳における発症率が95%と言われるほど発症率の高い病気です。若いうちに去勢手術をする事で高い確率で予防する事ができます。

発情中のストレスが減る

オスには発情期というものがありません、発情しているメスが近くにいるといつでも発情するのです。犬の嗅覚は非常に優れているので2㎞離れた発情したメス犬の存在も嗅ぎわけると言われています。発情したメスが近くにいるのに交尾できない状態はオスにとってストレスです。去勢手術をすればこのストレスは無くなります。

望まない妊娠を防ぐ

意図しない妊娠を防ぐ事ができます。

去勢のデメリットは?

交配ができなくなる。

当然のことですが、去勢手術をしたら交配はできません。

太りやすくなる

生殖に使っていたエネルギーがなくなるため、基礎代謝が減り太りやすくなります。

麻酔リスク

若くて健康な犬は老齢犬に比べ麻酔リスクは低いです。しかし、麻酔ですのでリスクがないわけではありません。麻酔アレルギーや不慮の事故が起きる可能性もゼロではありません。麻酔リスクについてはかかりつけの獣医師と良く話し合い納得したうえで手術を行うか決めましょう。

男の子の去勢手術ってどんな手術?

下腹部を毛刈りし、陰嚢という精巣を包んでいる袋を切開して、精巣を摘出し、縫合します。

手術に適した時期とは?

オスの場合、明確にいつまでに手術をした方が良いかを示した研究結果はありません。しかし、手術するなら6カ月以上でなるべく早いうちに行うのが良いでしょう。

足をあげて排泄をする事が習慣になる前に去勢手術をした場合は、その後も足をあげないで排泄する子になる事が多いです。また、発情したメスがいても性的ストレスを感じない様にするためには、発情したメスに合う前に去勢手術をしてあげる事が大切です。

手術時間は?

切開~縫合までの時間は約10分~30分です。病院によっても違うので先生に確認するといいでしょう。

全体の流れは?

予約→術前検査(手術当日または事前)→手術→入院(通常1泊)→抜糸(1週間後)

料金は?

2~3万円くらい(手術費用のみ)が平均とされていますが、病院によって料金が異なります、事前に確認しましょう。

※入院~退院までのトータル料金であるか、術前検査代(血液検査・レントゲン検査)が入っているかを確認すると良いでしょう

ワンポイントアドバイス

避妊手術と同様、去勢手術を受けさせるかどうかについては人それぞれ考え方があります。ここでご紹介したメリット・デメリットを十分理解して決めてあげると良いですね。

アイペット獣医師

ワンペディアの運営会社であるアイペットに在籍している獣医師チーム。臨床経験...

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