吠える愛犬をどうにかしたい…。原因別の対処法を徹底解説!

Happy golden retriever puppy
犬の吠えの問題は、飼い主さんを最も悩ませる問題の一つです。夜中に吠える、留守番中ずっと吠える、来客に吠えるなどなど、吠えの悩みはつきませんよね。実は犬の吠え声は、大型トラック以上の騒音に匹敵します。吠える子に対してきちんとトレーニングをしないと、思わぬご近所トラブルに発展するケースもありますので、正しい方法で訓練をすることが大切なのです。

犬の吠え声、実はこんなにうるさかった!

ペットをめぐるトラブルで件数が多い犬の鳴き声について、環境省が実施した騒音レベルの調査結果が明らかになりました。犬から5メートル離れた場所で、吠えた時の騒音レベルを測定したところ、最高で92デシベルだったことがわかりました。これは、5メートル離れた場所で聞く大型自動車の走行音(86デシベル)を上回っているということになります。つまり、犬が吠えている状況というのは、お隣さんからすると、壁一枚隔てた隣で大型トラックが走っているよりもひどい騒音に悩まされている状況になるのです。

正しいトレーニング方法とは?

吠えている犬に対しては、正しいトレーニングが必要となりますが、大前提として犬の吠えを完全になくすというのは実際には不可能です。吠えは、犬にとって大事なコミュニケーション方法の一つであり、吠えることには必ずと言っていいほど理由があるからです。「無駄吠え」と表現することがよくありますが、犬にとって無駄な吠えはありません。吠えを最小限におさえるためには、なぜ吠えているのかをしっかり把握することが大切になります。
では、原因別に吠えを分類し、その対処法も考えてみましょう。

興奮によって吠える場合

原因と対処法

これは刺激によって興奮や喜びといった反応が誘発され、思わず吠えてしまうというものです。例えば、散歩が嬉しいあまり、行き始めにずっと興奮して吠えたり、飼い主さんの帰宅時に興奮して吠えたりするものです。「うれしいよー!」って思わず、声が出てしまうというパターンですね。こういう時は、まずは飼い主さんが落ち着くことが大切です。そして、できれば吠え始める前に、つまり興奮する前に他のことに集中させてしまうのがいいでしょう。

お散歩でテンションが上がって吠えてしまうケース

Jack Russell terrier 散歩に行く前や直後に興奮しすぎて吠えてしまう場合は、吠え始める前から大好きなおやつを与え続けながら、散歩に出かけると効果的。小さなおやつをちょこちょこあげるのは大変という場合は、長めのジャーキーなどを手で持って、舐めさせながら歩くと楽かもしれません。

飼い主さん帰宅時に興奮して吠えてしまうケース

普段から、隠したおもちゃを探して持ってこさせるゲームのような遊びをしていると、飼い主さんが帰宅した時に「持ってきて」と声をかけると、吠えるよりもおもちゃを持ってくることに夢中になってくれるかもしれません。

帰宅時に興奮させないように、帰宅後は犬と一切目を合わせず、落ち着くまで無視を貫くという方法がありますが、この方法はあまりオススメできません。確かに、この方法で効果が見られることもありますが、もともと不安気質のある子などの場合は、余計に不安を増大させてしまうことがあります。飼い主さんが興奮気味に「さみしかった~?」などと声をかけると興奮しやすくなることもあるのでそのような接し方はしない方がいいと思いますが、飼い主さんが落ち着いた状態で「ただいま」などと声をかけることで落ち着くような子は、声をかけてあげていいと思うのです。さらには、抱っこをしてあげれば落ち着くのであれば、私は抱っこをしてあげてもいいと思います。その子その子によって対応は変わりますので、判断が難しい場合は、逆効果にならないように、ぜひ専門家に相談してください。

恐怖や不安が原因で吠える場合

原因と対処法

犬にとって慣れない刺激、例えば掃除機や自転車やバイク、苦手な人や犬などが近づくと、犬は恐怖や不安を感じ、吠えることによってその刺激を追い払おうとします。原因となる物体に犬を慣れさせようとして、無理やり近づけたりすると、恐怖のあまり攻撃的になる場合があります。そういった恐怖の対象を取り除けるのであれば、取り除いてあげてください。

掃除機や散歩中に出会った犬に吠えてしまうケース

ダックス 散歩掃除機をかける時は別の部屋にいてもらう、散歩中に苦手な犬に出会ったら、方向転換をしてしまう、など恐怖の対象から距離をとってあげましょう。この時に注意してほしいのは、名前だけ呼び続けることのないようにしてください。名前=恐いものとなり、名前を呼ばれること自体を嫌いになってしまいます。

ぜひ名前を呼んで「大好きなおやつ」を与えてください。これを続けることで、苦手なもの、嫌いなものに対するイメージをよくすることができます。最初は、吠えずにいられる距離を十分にとった上で、ほめながらおやつを与えるといいでしょう。これが完全にできるようになったら、少しずつ少しずつ距離を縮めていきますが、決して焦らず進めてください。

警戒心が原因で吠える場合

原因と対処法

チワワ 怒る自分のテリトリーに知らない人などが近づくと、そのテリトリーを守るために警告や威嚇の意味で吠えるものです。例えば、宅急便や郵便配達の方が来ると吠える犬はたくさんいますよね。また、家の外を通る人に対して吠えることも多いと思います。この場合も、まずは刺激となるものから遠ざける環境作りが重要です。

来客時に吠えてしまうケース

来客時に玄関まで行けるようになっているのであれば、行けないように柵などを設置しましょう。チャイム音に反応するのであれば、音の種類を変えたり、いっそのこと鳴らないようにするという方法もあります。そして、カーテンを閉めて外が見えないようにするなど、吠える行動を誘発させてしまう刺激を避けられるような環境を出来るだけ作るよう心がけましょう。
また、警戒による吠えは、相手を追い払うという意味もありますが、同時に仲間に知らせるという意味も含まれます。私が飼っていた犬も、私が在宅している時は宅急便が来るたびに、ものすごい勢いで吠えていたのですが、私が留守の時には一切吠えなかったのです。このような吠えは、「教えてくれてありがとうね」と言って知らん顔しないことも大切です。その一言で、安心して吠えやむこともあるのです。
さらに、警戒や威嚇が強い吠えの場合は、警戒しなくてもいいんだよとわかってもらうために、来客に対していいイメージをつけることも大切です。チャイム音が鳴ると同時に、ドライフードを床にばらまく方法はオススメ。フードがばらまかれる状況に慣れてくると、「チャイムが鳴る=フードが落ちている」という条件づけがされ、まずは吠えないで床にフードが落ちていないか一生懸命探してくれるようになります。

要求が原因で吠える場合

原因と対策

かまってほしい時、おやつが欲しい時、ケージから出してほしい時などに吠え、その要求が満たされると、犬はそれを学習して吠えるようになります。このように、何かを要求している吠えだとはっきりわかる場合は、その要求に応えてはいけません。どんな時でも必ず応えてあげられるならばいいですが、時と場合によっては応えられないような要求には、無反応を貫くのが一番です。部屋を出ていってしまってもいいかもしれません。

この時注意したいのが、例えば30分反応せずにいたけど、根負けしてしまって結局要求に応えてしまうと、犬は次から30分吠え続ければ要求が叶えられると学習してしまうということです。無反応を貫く時は、徹底しましょう。

既に要求吠えが定着してしまっているケース

「もううちは要求吠えが定着してしまった。」という飼い主さんもいらっしゃると思います。今まで犬の吠えに応じて要求にこたえてきたのに、突然無反応になると、犬は以前にも増して吠えがひどくなる場合があります。多くの飼い主さんがここで根負けしてしまうのですが、これを乗り越えれば、吠えても仕方ないということを理解するようになります。要求に応えてあげたい場合には、「オスワリ」など簡単な号令をかけ、それに従ったら、そのご褒美として要求に応えてあげるようにしましょう。

ストレスによる吠え

原因と対策

吠えること以外にすることがないといった状態に、犬は吠えることがあります。多くの家庭犬は、一日中家の中で落ち着いて過ごすことを要求されます。おそらく退屈で吠えている方がましといった心境ですね。何もすることがない犬が退屈しのぎで吠え始め、それが習慣化されてしまう場合があります。これはもう、ストレスを解消してあげることが唯一の解決方法です。

退屈がストレスになり吠えているケース

プードルお散歩は十分足りていますか?10分間全力を走るより、ゆっくり時間をかけて匂いを嗅がせたり、おもちゃで遊んだり、回り道をしたりして、刺激を与えてあげましょう。お散歩から帰って、まったりするくらいが満足度の目安です。お家で過ごしている時も、フードを詰めたおもちゃで遊ばせたり、ひっぱりっこやボール投げなど一緒に遊べることをしてあげましょう。

 このように、「吠え」にもさまざまな原因があります。そして、原因によって対応策も変わってきます。ただ、すべての吠えに共通して言えるのは、決して罰を与えないでほしいということです。罰を与えることによって、吠えがおさまったとしても、それは一時しのぎです。飼い主さんへの信頼を失い、他の手段(例えば攻撃や破壊など)に訴える可能性も出てきてしまいます。最初の方でも触れましたが、吠えの判別や対策がわからない場合には、専門家に相談するようにしましょう。

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菊池亜都子
菊池亜都子東京大学大学院 獣医動物行動学研究室 獣医師
東京女子大学文理学部を卒業後、一般企業に就職し、OA機器のインストラクターとして顧客サービスの業務に従事。退職後は、自宅にて小学生を対象とした学習塾を開くが、子供たちがこれから夢を叶えていこうとする姿に触れ、自分も幼い頃に抱いていた獣医師になるという夢にチャレンジしたいと思うようになり、人生半ばで再度大学受験に挑戦。日本大学生物資源科学部獣医学科への入学を果たす。大学在学中に、たまたま近所の飼い犬の攻撃行動を獣医師の行動治療によって改善したことを目の当たりにし、さらには自身の飼い犬の問題行動にも悩んでいた経験から、獣医師として進むべき道として、犬猫の問題行動治療を専門にしたいと思うようになる。大学卒業後は東京大学大学院に進学し、獣医動物行動学研究室に所属して犬猫の行動学を勉強しながら、問題行動の治療に専念している。